レジ袋有料化を考える

 2020年7月から、小売店でのレジ袋無償配布が禁止され、消費者はレジ袋を有料で購入しなければならなくなりました。皆さんの中にも、この半年の間に、これまでもらったレジ袋を繰り返し使用するようになったり、マイバックを持ち歩くようになったりと、買い物行動が変化した人も多いのではないでしょうか。レジ袋が無料のうちは、あまり深く考えずに袋をもらっていた人も、1円以上でレジ袋が販売されるようになると経済的インセンティブ(動機付け)が働き、お金を払うのであれば袋はいらないという考えになり、レジ袋の使用量は削減されるのです。レジ袋は日本では年間300億枚使用されていました。一人当たりですと年間300枚にもなります。世界の60ヵ国以上がレジ袋を禁止または有料化している中、ようやく日本でも有料化が始まりました。

 レジ袋有料化がなぜ必要になったかというと、プラスチック製造に使われる石油資源が有限であり、レジ袋は廃棄物問題の原因になり、焼却処理することによって発生する二酸化炭素が地球温暖化の原因となり、海に流れ出ると海洋プラスチック問題になることです。 たしかに有料化によってレジ袋の使用は減少しました。コンビニエンスストアの調査でもレジ袋の辞退率が増加しています。しかし、課題もあります。それは、全てのレジ袋が有料化の対象となったわけではないことです。厚みがあり、繰り返し使用できる袋は有料化の対象外となっています。しかし、この袋が絶対に海に流出しないという保証はありません。商品ではなく、サービスを提供するときに提供される袋も対象外です。例えばクリーニングの袋がそうです。また、植物由来の原料を25%以上使用しているバイオマスプラスチックのレジ袋は対象外です。そのため、ファストフードの店などではこの無料の袋に入れて商品を提供しています。みなさんも無料で提供されたレジ袋に「バイオマスプラ」と書いてあるのを見たことがあると思います。バイオマスプラは、生産のときに石油の節約になり、二酸化炭素削減にも役立つとされていますが、生分解性とは限らないので、海に流出すると、マイクロプラスチックになるという問題もあるのです。

 ただ、レジ袋を含むプラスチック製品は一方的に悪者かというとそうではありません。産業界は消費者の視点に立って、便利で生活を豊かにしてくれるものを私たちに提供してくれています。レジ袋は小さいものを入れるためには小さい袋が用意されていますし、お弁当を入れる袋は底にマチが付いていて、中に入れるものが偏らないようになっています。レジ袋以外のプラスチックとして、ペットボトルがありますが、飲み口の形状が工夫されていて、胴体部分は持ちやすく、お茶の飲料で竹の形をしているものは芸術的センスもあります。赤ちゃんが最初に出会う食器がプラスチックということも多いでしょう。落としても割れず、軽くて丈夫でデザインもかわいくて工夫されているのもがたくさん販売されています。各種プラスチック容器包装は食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等にも寄与しています。軽くて丈夫で成型しやすく大量生産が容易なうえ安価に製造が可能なため、プラスチックは私たちの身の回りにあふれています。使用段階ではメリットが多いプラスチックですが、それが適切に処理されないと問題が起こるのです。日常生活で自分の懐が痛むレジ袋の有料化が地球環境問題を考えるきっかけになることを望みます。 (落合由紀子)