2018年8月高木ゼミ合宿、小田原市の中心市街地活性化を調査

高木ゼミは、毎年3年生の夏休みに合宿して、ゼミ生の皆さんとまちづくりや地域福祉などの調査研究をしています。今年は8月7日~8月8日に合宿を行いましたので、その概要を以下に載せます。

まず、2018年度春セメスターのゼミは、久繁哲之介著の『地域再生の罠』(ちくま書房、2010年発行)を読みました。同書は、これからの地域再生には他の成功事例を容易に模倣した大型商業施設を誘致するだけでは発展しないこと、その再生には「物販主体」ではなく「飲食主体」の需要創出が大事であることを論じています。こうした視点はまちづくりの参考になります。

まちづくりに関心を持ったら具体的な例を研究することが大事なので、神奈川県内で唯一「中心市街地活性化基本計画」の認定を受けてまちづくりに取り組んでいる小田原市に大変興味がわきました。小田原市は「かまぼこ」でも有名ですので、春セメスターに勉強した視点が活かせるわけです。そこで小田原市の商業振興課にお願いをして、小田原市の中心市街地活性化基本計画や「HaRuNe小田原」の現状について、お話を聴くことにしました。

その前に、高木ゼミの基本方針は実際に現地を歩いてみることを重視します。まず小田原駅東口のエスカレータを降りて「HaRuNe小田原」を見て、次に再開発事業が行われている「お城通り」を通り、「小田原城址公園」を右に見てしばらく歩き「かまぼこ通り」まで行きました。「かまぼこ通り」のほんの少し先には相模湾に面する御幸の浜が見えました。このように小田原市は駅から歩ける範囲で、観光資源と地元特産品があるまちです。

その上で、小田原市の中心市街地活性化基本計画について伺うと、それは小田原市の中心市街地約170haを区域として交流人口と定住人口を増加させ、地域経済を活性化するために、さまざまな事業が計画されています。その中でも「小田原地下街再生事業」「市民ホール整備事業」「お城通り地区再開発事業」が3大事業だそうです。

小田原の地下街も昭和50年代からの歴史があり、その再生事業として「HaRuNe小田原」が予定通り完了して、地元のお客様の利用が多いとのこと。あとの二つの事業はまだ実施中とのことです。

大学に帰ってから概要版でない『小田原市中心市街地活性化基本計画』そのものを調べると、行われる事業は100以上で、実施主体もさまざまであることが載っていました。また「中心市街地活性化基本計画」は、小田原市の総合計画『おだわらTRYプラン』の「未来への投資(先導的施策)」に位置付けられていることもわかりました。そのほか「HaRuNe小田原」では、最近インバウンドと呼ばれるようになった訪日外国人が大きな荷物を持って移動しなくて済むように、手荷物を配送して「手ぶら観光」ができるように工夫されていることや、「かまぼこ通り」は、小田原かまぼこ通り活性化協議会の方々によってはじめられたこともわかりました。まだまだ書ききれませんが、小田原市の中心市街地活性化はとても一言では語れない奥深いものであることがわかります。

まちづくりを調べるには、このように現地を訪れて実際にお話を聞き、写真を撮ってさらに資料を読まないと理解することはできません。お手数をおかけした小田原市商業振興課の皆さまには感謝いたします。富山市と青森市が中心市街地活性化基本計画の例によく取りあげられますがそれだけでなく、小田原市をはじめとする各自治体の取り組みをもっと深く研究すべきだと強く感じました(高木俊之・記)。