オープンセミナー HIS「未来を創る新しい旅行~旅は人を変え、社会を変える~」を開催しました

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教養学部人間環境学科自然環境課程では、6月15日に人間環境研究会オープンセミナー「未来を創る新しい旅行~旅は人を変え、社会を変える~」を湘南キャンパスで開催しました。このセミナーは大学院人間環境学研究科との共催で、FD(=Faculty Development/授業改革)研修企画として3回連続で実施しており、各分野で活躍している方々の話を聞くことで、教員の授業の質の向上や学生の視野を広げることが目的です。今回は株式会社エイチ・アイ・エスの鮫島卓氏(専門店グループリーダー、CSR推進委員)が講演。学内外から学生や教職員ら約160名が聴講しました。

学生時代に旅の魅力を知ったという鮫島氏は、バックパッカーとして35カ国を訪れ、国によって宗教や言葉、食べ物、価値観が異なることを、身をもって体験したといいます。「アメリカで目撃した人種差別やヨーロッパで放浪する国籍を持たないジプシーの存在にショックを受け、ベトナムで知り合った同世代の友人が国の未来を真剣に思う気持ちに心を打たれました」と振り返りました。続いて旅行業の仕組みを紹介した後、マス・ツーリズム(観光旅行が一般の対象にまで広がった現象)がもたらす問題点を指摘。美しい海に囲まれた世界屈指のリゾート地であるバリ島では、ゴミ置き場を作るために珊瑚礁の海が埋め立てられ、環境破壊が進んでいることや、旅館やホテルが海外産の食材を使用することで地元が恩恵を受けられないなどの問題が発生している実態について報告しました。その上でエイチ・アイ・エスが取り組む新しい観光の形「エコ・スタディツアー」を紹介。鮫島氏は、「現地に行き、人と触れ合うことで、その地域の社会問題を学び、持続可能な発展をサポートするためにできることを考えるツアー」と説明し、バングラディシュのバッグ工場で働く人と一緒にバッグ作りを経験するツアーなどの例を挙げました。「参加者からは、『現地の貧しさを目の当たりにし、家族を支えるために一生懸命働く人々と交流することで、今まで何気なく使ってきたバッグがとても価値のある物に思えるようになった』『日本の常識が世界で通じるわけではないとことを知った』『地元の人やツアー参加者同士の交流によって多種多様な意見を知り、新たな発見があった』といった感想をいただきました」と語り、「こういった経験を通して自分の頭で考え、自分の考えを表現できる力が身につきます。インターネットやSNSで瞬時に世界中の情報を得ることができますが、自分自身の経験で得た情報に勝るものはありません。実際に体験したことから得た知識や考え方、仲間が、次の行動のきっかけになります。ぜひこういった旅に積極的に参加して、世界に目を向けてみてください」と学生たちにエールを送りました。

参加者からは、「テレビなどのメディアの情報をうのみにせずに、自分で現地に行き、そこで起きている問題や現状を知りたいと思った」「旅行に対する考えを根本から変える紹介がとてもよかった」「スタディーツアーのような体験を通して、自分の見聞を広め、現地の人たちのためになることをしたいと思います」といった感想が寄せられました。

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