医療・福祉における芸術療法プロジェクト

プロジェクト趣旨

現代社会において医療・福祉の問題は常に社会的な話題となり、現代を生きる人々にとって日常生活の関心事の一つになっています。医療技術が高度化したことによる延命治療の問題、また高齢化社会の進展とともに発生する介護問題などは、誰にとっても関心の高い課題となっています。そして療養者や高齢者のみならず若者や子どもの間にも、うつ病などの心の病を持つ人々が増え続けています。そこには医学や法律の制定、政策の実施だけでは解決しにくい精神的な問題に対処する取組みが求められているようです。

東海大学教養学部では十数年前より芸術学科音楽学課程において音楽療法コースを開設しながら、医療と音楽のあり方を探り、音楽療法による教育プログラムを育ててきました。また最近ではデザイン学課程の取組みにおいても、高齢者をテーマとした玩具開発プロジェクトを実施しており、芸術を核とした実践的教育プログラムの機運が高まりつつあります。

国内では海外に比べて芸術療法が未だ認知されていないともいわれる一方、現代社会においてめまぐるしく変化する現代人の病には芸術療法が求められているようです。芸術療法は、作品を創作する「造形的療法」、役割を演じる「演劇的療法」、媒体と融合する「仮想的療法」、音や声を利用する「音楽的療法」の4つに分類されますが、それぞれはクリエイティビティ溢れる創造的行為であり、心の悩みや葛藤を打ち払い、人間関係を築くのに有効な療法であると考えられています。

この「医療・福祉における芸術療法プロジェクト」では、このような芸術療法をテーマに、療養者や高齢者に限ることなく、現代社会において心に迷いを持つ様々な立場の人に求められる芸術のあり方を探る目的から、病院や福祉施設などをフィールドとした実践型教育プロジェクトを通して、医療・福祉現場における課題や問題点を整理しつつ、音楽・美術・デザインといった芸術の果たすべき役割・価値を実践的に研究、検証していくことをめざしています。よってこのプロジェクト履修においては、芸術学科の学生のみならず、医療や福祉に興味のある社会環境課程の学生などにも積極的に参加してもらいたいと考えています。

研究キーワード

芸術療法/音楽療法/アートセラピー/高齢者研究/エンターテイメントデザイン/医療空間計画/福祉計画/他

主な担当教員(担当者は平成21年度申請時のもの)

堀真奈美(人間環境学科社会環境課程 教授)
沖野成紀(芸術学科音楽学課程 教授)
渡辺哲生(芸術学科デザイン学課程 教授)

募集学生定員数

20名程度

SOHUM領域科目

自然環境(環境倫理、環境芸術論)
社会環境(社会福祉概論、地域福祉論、障害者福祉論、データ分析)
音楽学(音楽療法概論、医学概論、実験美学、臨床心理学)
美術学(芸術哲学、芸術学)
デザイン学(ユニバーサルデザイン論、エンターテイメントデザイン論、映像デザイン論、色彩学)
国際(ジェンダー論、国際文化交流論)