社会環境オープンセミナー「自由と命を戦争体験から考える」を開催しました

社会環境オープンセミナー「自由と命を戦争体験から考える」を開催しました
社会環境オープンセミナー講師・渡邊亘氏と社会環境課程ゼミ参加学生たち
社会環境オープンセミナー講師・渡邊亘氏と社会環境課程ゼミ参加学生たち

社会環境課程では、共生、貧困、戦争などグローバルな課題にも大きな関心を寄せています。 そこで、6月14日(金曜)4時限 15:10〜16:50、10-303教室で、 自由と命の大切さを戦争体験から見つめ直し、さらに日本とアジアの共生、教育の在り方を考えるオープンセミナーを、 神奈川県保健福祉局生活援護課と神奈川県遺族会の協力を得て開催しました。

予科練出身、講師の渡邊亘氏
予科練出身、講師の渡邊亘氏

講師の渡邊亘氏は、1925年(大正14年)生まれで、御年88歳です。群馬県の田舎で、母を亡くし、貧困に苦労していましたが、小学校の先生の応援もあって、一念発起し、当時難関である海軍予科練練習生(予科練)へ進むことを決心し、1942年1月、太平洋戦争勃発直後、2回目の受験で合格しました。そして、茨城県霞ヶ浦近くの土浦航空隊に入隊しました。そこでは、寝るとき以外は全て訓練と座学で、注入棒によるバッターという罰直も頻繁に受けながら、飛行訓練を受けました。

1944年2月、少年飛行兵として偵察員(搭乗員)となり、電波探知機操作、厚木上空の防空戦、九州佐伯の対空戦闘を経て、北海道の千歳航空隊での本土決戦準備、秋田県の能代航空隊で「東海」による対潜水艦哨戒飛行・船舶輸送護衛に従事されました。 終戦を19歳で迎えましたが、戦争・死生観の教育ばかりを受けていたために、世間話もできず、食料にも事欠く厳しい生活を送られたとのことです。戦後は、食料統制・配給が一段と厳しくなったので、鉄道を使った担ぎ屋をしていたこともあったそうです。 戦争を当然のように推進しようとする怖さ、戦後復興・平和を構築する努力、最高に価値のある宝物は命であるとことにお話が及びました。

講演会には、学生約20名、一般市民1名、教員3名、職員1名、東海大学新聞記者1名が参加しました。学生からは次のような感想(抜粋)が寄せられました。

・戦争中の苦労が伝わってきた。これからの日本を作ってゆくのは自分たちであるから、今の我々がしっかりと世の中に目を向けていかなければならないと思った。
・最後にお話のあった、やれば必ず結果が出る、結果が出るまでやるという言葉に感動しました。
・家族のため、お国のためと戦場に行き、今の時代では考えられないような壮絶な人生を歩んでこられたと思うと、本当に今の時代に生まれた自分は恵まれていると思う。
・今の日本に足りないのは、家族の絆とハングリーさなのではないかと思った。
・講演を聞いて、教育やしつけの大事さを痛感した。将来の職に責任しっかり背負っていかねばならないと思った。
・今回のお話を聞いて、自分が今まで生きてきた二十年間とは全く違って、今がどれだけ幸せな生活を送っていることを感じた。
・朝から晩まで訓練をし、ウトウトしているときにも、班長の洗脳が始まり死ぬことが怖くなくなるということは初めて耳にした。空襲で亡くなった人たちの遺体処理、ばらばらになった体の部位を集めることも仕事だと知り、胸が痛くなった。
・貧乏人とさげすまれた者たちが、予科練に入って見返そうと思い、試験に受かり入隊できることを喜んだのだろうけど、国は予科練がかっこいいものだと思い込ませて入隊させるのは、怖いと思いました。報道も嘘を流すので信じられないです。
・この時代を生きたただの兵隊にとって生死は一瞬のものであったと聞き、衣食住も豊かになった今を生きる私たちと昔は考え方も違う、いかに今の時代が豊かか、親と一緒に過ごせるか、仲間と一緒にいられるか、豊かさが当たり前になっている今、もう一度、それぞれの大切さ、ありがたさを再度認識しようと思った。

(記録者 鳥飼行博)